痛み具合

　どっちが強いか、どっちが好きかといったどちらかを選ばせる「究極の選択」という遊びを経験したことはあるだろうか。
　子供の頃は様々な二択を作り上げては友達に問いかけて、その反応を楽しんだり、仲間外れを作ることもあった。仲間外れにならないように他の人の回答を確認したり、絶対に答えないという人もいたのではないだろうか。

　ある学校で食中毒が起きてしまい、二人の男子生徒が特に重症で長く休むことになった。多くの生徒が嘔吐や腹痛で倒れた中で、クラスメート全員が覚えているのは二人の異常なほどの苦しみようだった。二日後にはその二人以外が登校できるまでに回復したこともあり、二人のあの奇声が思い出されて落ち着かない子もいた。
　後日命に別状がないと先生から報告されると、生徒から「どっちがより苦しかったのか？」という疑問が投げかけられたという。

「懐かしいね。でもこの大腸がんはあの時の腹痛と関係ないよ。」