切っ掛けは、些細なこと

2
3

学校終わり、帰る。川沿いの一本道。
コンクリートで固められた道から外れれば、雑草の群れ。斜面を下れば川に近づく。
今日もいつもと変わらず、目立たずに過ごせた。面倒ごとに巻き込まれないし、僕はそこそこ勉強ができる。自分でも模範的で「良い」生徒だと思う。問題を起こさず、手間がかからない。
だから、誰も僕を見ない。気にしない、気にならない。

魔が川の水に反射して、僕の目を差す。
僕は道を踏み外し、川に向かう。鼓動が速く、内側から胸を叩き続けている。鞄を放りだしながら、腰まで伸びた雑草を掻き分ける。
水の匂いが迫る。
僕は川との距離を感じると、体の奥底から熱いものが込み上げてきた。

草が途切れた先にあったのは、ガラクタの山だった。嘗て人に使われて、用済みになったものだ。川に半分使ったそれらは、川の流れに乗ることも出来ず、ただそこにあるだけだった。
さっきまで僕の中にあった熱が冷めていく。
その他
公開:20/09/03 21:55
ゴミはゴミ箱へ 曜日は守りましょう

Hiro.K( 日本 )

あまり文章を書くのが得意ではないのですが、出来る限り投稿していきたいと思っています。
よろしくお願いします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容