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タピオカを愛してやまない少女がいた。あの黒い宝石のような粒が夢にまで出てくる。食べるだけでは飽き足らず、少女はタピオカの中で暮らしてみたいと思うようになった。もちろん、夢の中の話だけれど。
タピオカの中は快適だ。ちょっとブラウンがかった全方位の窓から、少女と同じようにタピオカ好きな人たちの姿が見える。憧れのあの子と初デート。学校帰りに親友と。一人っきりでストレス解消に。黒い宝石がたゆたうドリンクを手に時を過ごす、そのシチュエーションは様々だ。
でも、一つだけ、共通していることがある。みんな、笑顔。何があっても、タピオカを目の前にすれば鬱陶しい日常を忘れられる。大切に、ゴクゴクと。そうやってタピオカとその中で暮らす少女は、みんなの心に溶けてゆく。それがつかのまの幸福な時間の種になる。
少女は夢から覚める。
リアルな世界で、タピオカのように人を幸せにできる何かの手伝いをしたいと思う。
タピオカの中は快適だ。ちょっとブラウンがかった全方位の窓から、少女と同じようにタピオカ好きな人たちの姿が見える。憧れのあの子と初デート。学校帰りに親友と。一人っきりでストレス解消に。黒い宝石がたゆたうドリンクを手に時を過ごす、そのシチュエーションは様々だ。
でも、一つだけ、共通していることがある。みんな、笑顔。何があっても、タピオカを目の前にすれば鬱陶しい日常を忘れられる。大切に、ゴクゴクと。そうやってタピオカとその中で暮らす少女は、みんなの心に溶けてゆく。それがつかのまの幸福な時間の種になる。
少女は夢から覚める。
リアルな世界で、タピオカのように人を幸せにできる何かの手伝いをしたいと思う。
ファンタジー
公開:20/09/02 08:24
40代半ばの会社員。家族は妻、中3息子、小6娘。つらつらと文章をつづるのが好きです。読んでいただけたら嬉しいです。
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