予言
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「もう昔ほどの能力は残っておらん」
私は上司とともに、かつて名を馳せた預言者である三田という老人を訪ねた。三田はベッドの上で、弱々しく横たわっている。
「ええ」上司はベッドサイドに腰を下ろす。
「何を知りたい」
「これからの人類についてです」
「大ごとだな。……私も力を使い果たすことになる」
「それでも。……お願いしたい」
「わかったよ」三田老人は目を瞑る。「ぐ……ぐぐ……ぐぅ……」
「いかがですか?」
「いつか。……第4次世界大戦が起こる」
「なるほど」
上司は私をちらっと見てから微笑んだ。
「ひどいものでしたね」
帰り際、上司に本音を伝えた。
「いや、十分だったよ」
「十分?」
「あのじいさんの予言は外れたことがない。第4次世界大戦が起こるのは間違いない」
「ということは?」
「第3次世界大戦が起こっても、人類は生き延びるってことだ」上司は歯を見せて笑う。「素晴らしい結果だ」
私は上司とともに、かつて名を馳せた預言者である三田という老人を訪ねた。三田はベッドの上で、弱々しく横たわっている。
「ええ」上司はベッドサイドに腰を下ろす。
「何を知りたい」
「これからの人類についてです」
「大ごとだな。……私も力を使い果たすことになる」
「それでも。……お願いしたい」
「わかったよ」三田老人は目を瞑る。「ぐ……ぐぐ……ぐぅ……」
「いかがですか?」
「いつか。……第4次世界大戦が起こる」
「なるほど」
上司は私をちらっと見てから微笑んだ。
「ひどいものでしたね」
帰り際、上司に本音を伝えた。
「いや、十分だったよ」
「十分?」
「あのじいさんの予言は外れたことがない。第4次世界大戦が起こるのは間違いない」
「ということは?」
「第3次世界大戦が起こっても、人類は生き延びるってことだ」上司は歯を見せて笑う。「素晴らしい結果だ」
ファンタジー
公開:20/09/01 22:19
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