憑き物がとれる話
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<ののちゃんが結婚するらしいよ——>
地元の友人からメッセージと写真がスマホに送られてきた。
心臓を掴まれるようなショックの後に、ゆっくりと色んな感情が胸に込み上げてきた。
僕が初めて付き合った彼女。
別れ話をした時の事は忘れない。
僕は彼女を妹のように面倒見ていたが、それは本当の恋愛感情ではないと気づいた。
あんなに誰かを泣かせたのは初めてだった。
幸せにしてやれなかった罪悪感はずっと消えなかった。
そうか。
あいつ結婚したのか——。
急に憑き物がとれたような気持ちがした。
会社から帰宅すると、台所では同棲している今の彼女が料理をしていた。
「ただいまー」
「おかえり。何かあったの?」
僕の表情を見るなり美和は僕の可笑しな冗談でも期待するかのような目をした。
「いや、そろそろ僕らも結婚しようかと、急に君に言いたくなったんだよ」
美和は静かに、じっと僕を見つめた。
じんわり涙を浮かべて。
地元の友人からメッセージと写真がスマホに送られてきた。
心臓を掴まれるようなショックの後に、ゆっくりと色んな感情が胸に込み上げてきた。
僕が初めて付き合った彼女。
別れ話をした時の事は忘れない。
僕は彼女を妹のように面倒見ていたが、それは本当の恋愛感情ではないと気づいた。
あんなに誰かを泣かせたのは初めてだった。
幸せにしてやれなかった罪悪感はずっと消えなかった。
そうか。
あいつ結婚したのか——。
急に憑き物がとれたような気持ちがした。
会社から帰宅すると、台所では同棲している今の彼女が料理をしていた。
「ただいまー」
「おかえり。何かあったの?」
僕の表情を見るなり美和は僕の可笑しな冗談でも期待するかのような目をした。
「いや、そろそろ僕らも結婚しようかと、急に君に言いたくなったんだよ」
美和は静かに、じっと僕を見つめた。
じんわり涙を浮かべて。
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公開:20/09/02 22:08
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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