馳せる

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ガムラン音樂が好きだ。

昔行ったバリ島。
すれ違う人々から香油の匂いがして、島自体の匂いみたいなっていた。
あちらこちらに花が観光客用に盛り付けられていて鮮やかな世界だった。
少し小石の混ざる砂道。雨の後のような土の香。湿気が布のようにまとわりつく気候。
見るもの全てが神秘的で、そこに住まう人々が神の使いに思えた。

皆、言葉少なかったが笑顔が素敵だった。

島中に満ちる不思議な音色。
鯨の声のような、せつない響き。
かと思えば雫が転がるような音。
足で振付したかのような弾み方。
コロコロと私の耳に甘露を入れる。

夢のような世界だった。
美しい世界だった。

ガムランボールを揺らしながら、心をあの島へと向かわせる。
夏の雨、スコールになって私を運んで行ってはくれないか。
公開:20/09/01 00:28

雨森れに( 東京 )

色合いの綺麗な物語を紡ぎたい。
シーンごと切り取られた刹那。
不思議、恋愛、ファンタジー、怪談、純猥談などをチラホラと。
中身はお酒が好きなアグレッシブ。

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