水流のロック
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大きな鯉がいた。
身体は大きかったが、鱗は茶色で汚れており、背骨が曲がっていた。周りの仲間はそんな彼をいじめた。
巨大な鯉はある日、川の上流へ向かって泳ぎ始めた。少し上流にある巨大な滝に向かったのだ。そこを登り切れば、龍になれるという伝説があった。
滝のふもとから、体をよじり、徐々に昇っていく。
もう少しで。もう少しで。みんなを見返せる。
だが逆流は容赦なく体力を奪っていく。
あと少し。意識は飛びそうだった。体をひねって、飛び上がった。瞬間だった。
鯉は空を飛んでいた。いや、身体はすでに鯉ではない。長い尾、牙、腕。龍となった鯉は、喜び勇んで近くの湖でその姿を確認した。
そして、落ちこんだ。鱗は汚いままだったし、背骨はぐにゃりと曲がっていた。
だが、龍は涙を流すのを我慢し、空を見上げた。とても広い世界だった。そのまま広い空へ飛んでいくと、どこかへ消えていった。
身体は大きかったが、鱗は茶色で汚れており、背骨が曲がっていた。周りの仲間はそんな彼をいじめた。
巨大な鯉はある日、川の上流へ向かって泳ぎ始めた。少し上流にある巨大な滝に向かったのだ。そこを登り切れば、龍になれるという伝説があった。
滝のふもとから、体をよじり、徐々に昇っていく。
もう少しで。もう少しで。みんなを見返せる。
だが逆流は容赦なく体力を奪っていく。
あと少し。意識は飛びそうだった。体をひねって、飛び上がった。瞬間だった。
鯉は空を飛んでいた。いや、身体はすでに鯉ではない。長い尾、牙、腕。龍となった鯉は、喜び勇んで近くの湖でその姿を確認した。
そして、落ちこんだ。鱗は汚いままだったし、背骨はぐにゃりと曲がっていた。
だが、龍は涙を流すのを我慢し、空を見上げた。とても広い世界だった。そのまま広い空へ飛んでいくと、どこかへ消えていった。
ファンタジー
公開:20/09/01 20:41
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