寿限無Wi-Fi

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下品な小噺を一つ。
ラブホテル。江戸でいやぁ連れ込み宿ですな。昼間っからここに書けない事をいたす所でございまして、何やら男女が話しております。
「こんな広いお部屋初めてぇ」
「こいつぁすげぇ、おいらも初めて」
「でも携帯が圏外みたい…」
「そうかい?俺ぁ繋がってるぜ」
「Wi-Fiね。どれかしら?」
「寿限無ほてるWi-Fiってやつ」
「これかぃ?パスワードが要るみたい…」
「俺ぁ自動で繋がったぜ。まぁいいや、読み上げてやらぁ、いくぜ?jugemujugemu…」
「え?もっかい教えて頂戴?」
「だからj.u.g.e.m.u…」
「ダメだよ…もう一回!」
「ジェー!ユー!ジー…」
何度やってもダメ、こいつぁ日が暮れちまいそうだなと思っていると
「あんた、なんで自動で繋がったんだい?前に誰かと一緒に来たんだろっ?このスケコマシ!」
「いけねぇ…前に違うのと"繋がっちまった"みたい…。」
ホラー
公開:20/09/01 13:06
更新:20/09/01 13:09
創作落語 浮気バレ 新作落語 Wi-Fi 長すぎるパスワード 修羅場はホラー

伽藍堂 無一文( 寄席 )

伽藍堂無一文(がらんどうむいちもん)
しがない噺屋風情が芸の肥やしにこちらで厄介になっております。
兄さん、姐さんがた、どうぞお見知り置きを。

たまに拝読、感想を残しやすが、
江戸弁忘れた時ゃ内緒にしといてくだせぇ。

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