シャンプー選手権

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「スタート!」
 水着の選手たちが一斉にシャンプーを始める。自分で調合した特製のシャンプーで髪の毛を泡立てる。
 競技後に立ち上がった時の、顔の輪郭を包む泡の大きさで競い合うこの選手権。
 今日のために皆、腕の筋力を鍛えてきた筈。私も毎日腕立て500回に懸垂300回のトレーニングをこなしてきた。
 無心に手を動かす。シャンプーが目に入っても、ゴシゴシゴシ。まだまだいける! ゴシゴシゴシ。意味? そんなの勝つため、ただそれだけよ!
「そこまで!」
 選手たちは皆一斉に立ち上がった。アフロみたいになった頭の計測を受ける。
「1m5cm……、勝者、アライミカ!」
 ワッと歓声が上がる。やった! 優勝だ! 私は飛び上がった。
 髪と手をボロボロにしてまで今日までやってきたかいがあった。
 今夜は大好きなケーキを焼こう。卵白の泡立てなんてお手の物。やっぱり、卵白もシャンプーも泡立ちが一番大事よね!
その他
公開:20/08/31 19:14
空想競技

深月凛音( 埼玉県 )

みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
猫ショートショート入選『ミルク』
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞『ハチ公、旅に出る』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[節目]入賞『私の母は晴れ女』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[縁]ベルモニー賞『縁屋―ゆかりや―』

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