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「上にかけあってみたんですけど…やっぱり無理でしたね…」
私に対し、申し訳なさそうに頭を下げる係員に向け首を横に振る。
『仕方ないです。あと6年も足りないんですから…』
本日閉演するとしまえん。そこで長く働いていた私は付喪神になれないかと審査を依頼した。結果は…見ての通りだ。
「いえ、そういう事ではなく。カルーセル・エルドラドさんは機械遺産にも認定されていますし、その後の引き取り手もあるのではないかと言われまして…」
とはいえ、現状何も決まっていない。取り壊されるくらいなら付喪神になりたかったが…ダメだった。
「ですが、我々としてもカルーセルさんをこのままにしておくのは惜しいと思いまして…どうでしょう?暫く我々の仕事を手伝ってくれませんか?」
『貴方達の…仕事?』
「はい。現在、ベテランの走馬灯さん不足で困っていたのです。このとしまえんと一緒に、旅立つお方の最後に貢献してくれませんか?」
ファンタジー
公開:20/08/31 19:00
更新:20/08/31 19:22

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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