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現地語ではゥリー・ヴリー(泥土の主)と呼ばれ、英名をランドイーターと名付けられたこの希少生物は、ミミズやユムシに相似した環形動物の一種である。特徴は頭部と尾部に同様に見られる腹囲と同大の開口部で、その巨大な口から泥土を丸ごと飲み込み、生育に必要な養分をあらかた吸い取ったあと、残土を後方に吐き出して前進する。その様子はまるで、地中に埋もれた短いホースが意思を獲得してぬるぬると動き出したようなシュルレアリスティックな印象を与える。全長数センチ程度のものから、一メートル近いものまで確認されているが、70年代にアメリカの地方新聞を賑わせていた人食いランドイーターは偽造写真である。現地民族の間には、死後に人が土に還るのはこのゥリー・ヴリーの体内を通って別世界に運ばれるためとの信仰があり、神の使いともされる。
「図解知られざる希少生物の世界 第二巻 コラム〜土とともに生きる〜」より一部抜粋。
「図解知られざる希少生物の世界 第二巻 コラム〜土とともに生きる〜」より一部抜粋。
その他
公開:20/09/01 07:00
さまようアラフォー主夫
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