えび玉丼

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葵の部屋は大きな窓でよく陽のあたる気持ちいい部屋だった。白い壁に清潔感があり、すっきりとしながらも女性らしい部屋。薄緑のランチョンマットの上に綺麗にお箸がのっている。
ーはいどうぞ、えび玉丼。味付けは中華風にしたよ。
半熟の卵が黄色くつやつや輝いて、えびはプクプクぷりぷりしている。こんな料理出されたら好きになっちゃうだろうなと思いながら一口頬張ると、心地良い幸せに包まれて本当に恋に落ちそうだった。

ー葵は女子力高くていいなぁ。私はずっと彼なしよ。ねぇ、えび玉丼の写真撮ってもいい?
涼子はゆっくりカメラを取り出した。
ーわ~!一眼レフ!
ーそう、買っちゃった!厚さも重さもデジカメの2倍以上でさ、大きなシャッター音には最初驚いたけど、今は両手にずっしりくる重量感と大きな音にしびれてる。

ファインダ―越しのえびにピントを合わせると、ピンク色がいっそう鮮やかに見えた。そろそろ恋をしたいな。
その他
公開:20/08/31 01:45

マーモット( 長野県 )

初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
 

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