樹海公園ーボーダー 前編
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樹海にギイと錆びた音がする。
「爺さんがブランコに乗ってる」
鈴木が美咲を手招きした。
「袖からはみ出てるのどう見ても龍、あっ、美咲くん」
美咲は老人に走り寄る。
「最近来なかったじゃない、どうしてたのよ」
「ホステスさんか」
鈴木が後ろから突っ込む。
「よお、美咲。まだいたのか」
「こちらは相田の親分さん。昔良くしてもらったの」
「樹海まで何しに?」
「知り合いの子を預かってたんだが、最近金を持っていなくなっちまった。金の事でヤバイ連中とトラブルになってたみたいでな」
「それは大変だ」
鈴木がブランコで靴を飛ばす。表が生を、裏が死を意味する。靴は横向きに倒れた。
「危険な状態ね。でもまだ生きてる」
老人は美咲に頷き返した。
「うお、マジで公園だ」
金髪の派手な男が大男を従えて歩いてきた。
「おたくの哲司くん、おいたが過ぎるよ」
大男が痣だらけの青年をどさりと地面に下ろした。
後編へ
「爺さんがブランコに乗ってる」
鈴木が美咲を手招きした。
「袖からはみ出てるのどう見ても龍、あっ、美咲くん」
美咲は老人に走り寄る。
「最近来なかったじゃない、どうしてたのよ」
「ホステスさんか」
鈴木が後ろから突っ込む。
「よお、美咲。まだいたのか」
「こちらは相田の親分さん。昔良くしてもらったの」
「樹海まで何しに?」
「知り合いの子を預かってたんだが、最近金を持っていなくなっちまった。金の事でヤバイ連中とトラブルになってたみたいでな」
「それは大変だ」
鈴木がブランコで靴を飛ばす。表が生を、裏が死を意味する。靴は横向きに倒れた。
「危険な状態ね。でもまだ生きてる」
老人は美咲に頷き返した。
「うお、マジで公園だ」
金髪の派手な男が大男を従えて歩いてきた。
「おたくの哲司くん、おいたが過ぎるよ」
大男が痣だらけの青年をどさりと地面に下ろした。
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ホラー
公開:20/08/30 15:04
樹海公園
ボーダー 前編
リクエスト頂きました
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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