おしゃべり大会

大気汚染の中、何が原因か判らない、罹ると死者も出る病気が世界中で蔓延していた。皆には家に引きこもっているのが
一番良いと伝達されていたので街中から人の姿が無くなってしまった。皆は家の中で、いつ終わるかも知れない今の状態を辛い気持ちで過ごしていた。
これではいけないと世界会議が開かれ、皆で思い切って外へ出ておしゃべり競争をしてもらおうと決定した。
悪口も内容がひどいほど加点され、声も大きい程得点となる。

早速皆は外へ出て来て、不平不満を大声で一斉に喋ったので、あちらこちらで小さな雲が発生した。世界中の参加者達に点数を付けているうちに、いつの間にか散らばっていた雲が一つの巨大な塊になって、原因となっていた流行病気を包み込んだ。
巨大雲にはまだエネルギーが余っていたので、包み込んだまま上空へ昇り地球を離れていった。

久しぶりに皆は、晴々とした表情で楽しいおしゃべり会を始めた。