カエル学園長

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カエル学園学園長は園長室で秘書を相手に持論を繰り返す。逗留先の温泉宿から戻ってきたのは、文科省官僚が急に来園するためだ。
「ワシが奮闘しなきゃ、カエル学園の将来はない。カエルの高等教育機関は今では弊学だけだ。政府はカエル学園の規模縮小を企んでおる。カエルに教育は必要ないといわんばかりだ。学園は潰される。何としても」
「お客さまがいらっしゃいました」秘書が口を挟んだ。
「来たか。高級官僚とお供だな。スズメの涙、いやミミズの涙ほどの補助金を減額しに来たんだ。カエルを愚弄するのもいいかげんにしろ」
学園長はよたよたと重い体を引きずって応接室に向かった。学園長が廊下の段差につまずいて倒れ、大きな大きな音が響いた。
一時間後、来客は帰り、学園長は園長室に戻ってきた。顔色が良くない。秘書が声をかけようとすると、
「・・補助金を切られた。しゃあしゃあとふざけた不逞な役人どもめ。カエルのツラに水だ」
その他
公開:20/08/30 09:45

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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