妄想競争

5
6

私は職場の先輩が好きだ
違う部署だから、話す機会は皆無
最近は会社一の美人社員と噂になっていた
私が先輩の恋人になれる可能性なんて、ほとんどない

だから私は妄想競争に出場することにした
これはその名の通り、自身の妄想力を競う競技

私はこの競技で、
「先輩に勇気をだして食事に誘い、そうしたら噂の美人社員とはなんの関係もなく、しかも先輩も私が気になっていたことが分かり、交際が始まってめでたく結婚」という妄想力を披露した

この妄想力は、審査員の共感を誘い、予選を勝ち抜き遂には国際大会にまで勝ち上がった

決勝戦の相手は、幼馴染への恋というこれまた甘酸っぱい妄想力を披露し、なかなかの接戦だったが僅差で私が勝利した
一番高い表彰台に立つ私に、決勝戦の対戦相手は言った
「あなたの妄想力なら、きっとその妄想を実現できるわ」
私は力強く頷いた
この自信を胸に、早速明日、先輩を食事に誘おうと思う
ファンタジー
公開:20/08/30 01:19

瀬那ゆり子

皆さんからのコメントが、
とても嬉しいです。
どうぞよろしくお願い致します。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容