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「この時間もドリムれたらなぁ。。」
現実世界へ帰還したボクは、ため息をつきながら全く味のしない栄養食を口に頬張り水を飲んだ。
今日一日に必要なカロリーはこの2分で済ます。そんな日常が5年以上続いている。
10年ほど前に、脳に電気信号を送ることでバーチャルな世界へとトリップすることが可能なデバイスが誕生した。
その世界へ飛ぶことを「ドリムる」とみんな呼んでいる。
そこで流行しているのが「臨死体験」。
現実世界では唯一味わえない死の恐怖を何度でも味わえるのだ。
飛び降り・溺死・毒殺・・・
色んな恐怖を味わったボクでも、唯一味わえていないものがあった。
ボクはデバイスをつける前に高層マンションの屋上へ行き、柵の上に立ってみた。
全く怖くない。
まるで一度見たホラー映画のように自分の危機を俯瞰していた。
人間が人間であるための知的好奇心を満たすために、ボクは次の世界へと足を踏み出した。
現実世界へ帰還したボクは、ため息をつきながら全く味のしない栄養食を口に頬張り水を飲んだ。
今日一日に必要なカロリーはこの2分で済ます。そんな日常が5年以上続いている。
10年ほど前に、脳に電気信号を送ることでバーチャルな世界へとトリップすることが可能なデバイスが誕生した。
その世界へ飛ぶことを「ドリムる」とみんな呼んでいる。
そこで流行しているのが「臨死体験」。
現実世界では唯一味わえない死の恐怖を何度でも味わえるのだ。
飛び降り・溺死・毒殺・・・
色んな恐怖を味わったボクでも、唯一味わえていないものがあった。
ボクはデバイスをつける前に高層マンションの屋上へ行き、柵の上に立ってみた。
全く怖くない。
まるで一度見たホラー映画のように自分の危機を俯瞰していた。
人間が人間であるための知的好奇心を満たすために、ボクは次の世界へと足を踏み出した。
SF
公開:20/06/20 16:05
更新:20/06/20 16:08
更新:20/06/20 16:08
28歳。
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