約束
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待ち合わせの時間だ。コンビニや点滅する信号でやけに明るい交差点。横断歩道の向かい側に志願者がやってきた。ネット上と同様に女性。ハタチくらいだった。メールでの暗いやり取りが嘘のよう。彼女は笑顔でこちらへ向かって来た。湧き上がる喜びを抑えきれずにいるようだった。
「君は本当に死を望むかい?」最終確認を終えると、彼女は僕が渡した契約書にスラスラとサインをした。
僕の家に案内する。
服を汚したくないという要望を受け、彼女を裸にして浴槽に座らせた。
「かなり痛むよ。」
「大丈夫です。」
彼女の左腕を深めにカッターナイフで切った。ファスナーを開けるように皮膚が割かれ、鮮血が滴った。
僕は口を添えて血をいただく。彼女を最期まで飲み干すのが僕の仕事だ。
涙目の彼女はくすぐったいと笑う。まるで恋人との戯れ。少し恥ずかしくなった。
人間に恋するのはこれで終わりにするよ。
冷たい唇にそっと誓いのキスをした。
「君は本当に死を望むかい?」最終確認を終えると、彼女は僕が渡した契約書にスラスラとサインをした。
僕の家に案内する。
服を汚したくないという要望を受け、彼女を裸にして浴槽に座らせた。
「かなり痛むよ。」
「大丈夫です。」
彼女の左腕を深めにカッターナイフで切った。ファスナーを開けるように皮膚が割かれ、鮮血が滴った。
僕は口を添えて血をいただく。彼女を最期まで飲み干すのが僕の仕事だ。
涙目の彼女はくすぐったいと笑う。まるで恋人との戯れ。少し恥ずかしくなった。
人間に恋するのはこれで終わりにするよ。
冷たい唇にそっと誓いのキスをした。
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公開:20/06/20 14:28
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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