スマボ

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 都市上空を移動するUFO帽を被った人々の群れは、風に舞うタンポポの綿毛を連想させる。
 UFO帽はその名のとおり被ると自由に空を飛べる帽子だ。反重力によって飛ぶUFO帽には光を屈折させる作用があり、被っている人がひどくスマートに見える。それが遠目にまるでたんぽぽの綿毛のように見えるのだ。
 いつの頃からかUFO帽はスマートに見える帽子、スマボと呼ばれるようになった。
「ドシン!」
地響きをたてて着地に失敗した太った主婦が、コロコロところがり手足をバタバタさせている。
「起こしてー。」
親切な人が主婦のスマボを拾って手渡すと、主婦はなんとか態勢を立て直しすことができた。
 スマボのヘビーユーザーはほとんど無重力空間で生活しているようなものであり、極端な肥満と足腰の弱りによって生活に支障をきたす者も少なくないという。
 最近ではスマボ症候群として社会問題に発展している。
SF
公開:20/06/19 13:03
更新:20/06/20 08:43

尋亀( ネオトキオ )

巣々木尋亀(すずきひろき)と申します。

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