真夜中のコンビニ

真夜中のコンビニにサンタがやって来た。
「ふ～、やっと仕事が終わったよ」
「毎年、大変ですね。たった一人で世界中を回るのは」
「そんな訳ないだろ。各国に担当スタッフがいるのさ。言うなれば新聞配達や牛乳配達とシステムは同じだよ」
「と言いますと？」
「まず、営業担当者が担当地域の地図を片手に一軒一軒訪問する。
そこで契約が取れればその家にプレゼントを届ける。
断られれば届かないと言う寸法さ。
その後、サービスに満足し、契約延長をすれば次の年も届く。
契約解除されればプレゼントは届かない」
「シビアですね」
「当然だよ。タダで配るわけないだろ。慈善事業じゃないんだから」
「その事実を子供が知ったら夢が壊れますね」
「そうかな。クリスマスイブにホームセキュリティの警報が鳴って警察に尋問されるサンタの姿を見せる方が夢が無いと思うがね」
リーン、リーン
「ちょっと、失礼。えっ、家を間違えて捕まった」