飴ージング・キャンディ

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朝の満員電車が憂鬱?じゃあいいものあげるよ。
はい、これ。
…え?飴なんていらない?
嫌だなあ、これはただの飴とは違うんだよ。
これ舐めるとね、頭の中で自分の望むドラマが再生されるんだ。
ほら、包み紙の色が違うだろう?
赤は冒険もの、ピンクは恋愛系。青はサスペンス。一粒で満員電車が映画館に早変わりさ。

でも一つ注意があってね。
飴ってさ、人によって舐める速さが全然違うだろ?だから自分に合った速さの飴を選ぶことが重要なんだ。これは『普通』。遅い人が『早い』を舐めたら気分悪くなるよ。速回し画像観るようなものだから。
逆はもっと怖いよ。『遅い』はね、濃厚なんだ。早い人が一気に舐めると、飴の成分が急激に体内に取り込まれて…ほら、いるだろう?電車の中でイチャついてるカップル。アレはさ、二人でショッキングピンクの飴舐めてるんだよ。
…羨ましい?はは、止めときなよ。舐め終わって現実見た時が悲惨だぜ。
その他
公開:20/06/18 21:21
通勤途中で飴を食べていて こんな話を思いつきました ウチの場合、同じ飴を食べても 夫は5分、私は30分(笑)

秋田柴子

2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnoteと公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・note×Panasonic「思い込みが変わったこと」コンテスト 企業賞
・SSマガジン『ベリショーズ』掲載
(Kindle無料配信中)

【近況】
 第31回やまなし文学賞 佳作→ 作品集として書籍化(Amazonにて販売中)
 小布施『本をつくるプロジェクト』優秀賞

【note】
 https://note.com/akishiba_note

【Twitter】
 https://twitter.com/CNecozo

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