雨の公園

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ザーザーと降る雨の中、一人の女性がブランコに座っていた。

如月唯は無言だった。そんな彼女の元に一人の男性、真人が声をかける。

「こんな雨の中一人でどうされたんですか?」

如月唯は無反応だった。

「...。」

如月唯は一言やっと言葉を発した。

「別に、何も。」

悲しげな如月唯の言葉に真人は反応した。

「何も無い様な雰囲気にはみえませんけど。」

如月唯が答える。

「誰かがこの公園に来てくれるだけで、それで良いから、何でもない。」

真人はその女性の言葉の意味が分からなかった。

いつの間にか雨は止んでいた。

如月唯が喋った。

「雨、上がりましたね。」

「そうですね。」

真人が答えた。

雨は止み、如月唯の心の中は晴れ晴れとしていた。
その他
公開:20/06/18 19:29

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