今日だけの俺

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やっと俺の番がきた。
本当に長かった。早すぎても遅すぎてもダメだったが
29歳のこのタイミングは願ったり叶ったりだ。
まだ6歳の時に巡ってきた別の俺は意味が分からず気がついたらもう終わっていたようだ。
どうも噂では他の人間は一つの入れ物を一つの自分で独占出来るようだ。
俺はそれが出来ない。俺の中に俺が大勢いるためだ。
俺を支配出来るのが日替わり交代制になった。
人気アトラクションに並ぶ行列みたく人生一度きりのアトラクション。
それが観覧車になるかジェットコースターになるのかは運次第だ。
過去の自分のバトン次第でどんな一日を担当するかが変わる。
本来は寝ている間に交代すると聞いていたが、その時は唐突に訪れた。

真っ白だ。

最初はこうなのか。違った。本当に真っ白なのだ。
多くのライトに俺は照らされているようだ。
そして俺は女性を羽交い締めにし拳銃を押し当てていた。

「もう閉園か。」
ホラー
公開:20/06/17 07:43
更新:20/07/07 00:07

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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