クラウドスタディ
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雲の大きさに対する雨の量がおかしい。近頃、このような声が私の所属するクラウドスタディに数多く寄せられていた。
「……というわけで、君に任せた」
我が組織は雲に関する超常現象を調査する団体である。その中でも雨雲に詳しい私に白羽の矢が立ったというわけだ。
私は空を飛び、雲に乗る事ができる特殊スーツを身につけ、先ほど豪雨を引き起こしたと報告のあった雨雲へ向かった。
「確かに小さい」
雲を見渡す。真ん中に何かが埋まっていた。それを引き抜く。ごく普通のバケツだった。雨の香りがほんのり残っている。バケツをひっくり返したような雨、という事か。しかし雨量との寸法が合わない。
「よくわからんな」
私はなにげなくバケツの中を覗き込んだ。そこは耳に響くディスクの回転音と、視界に広がる0と1が無数に並んだ異空間だった。これは……。
「HDD?」
調査報告書に「雲のPC化」と記した私は呟いた。
「意味わからん」
「……というわけで、君に任せた」
我が組織は雲に関する超常現象を調査する団体である。その中でも雨雲に詳しい私に白羽の矢が立ったというわけだ。
私は空を飛び、雲に乗る事ができる特殊スーツを身につけ、先ほど豪雨を引き起こしたと報告のあった雨雲へ向かった。
「確かに小さい」
雲を見渡す。真ん中に何かが埋まっていた。それを引き抜く。ごく普通のバケツだった。雨の香りがほんのり残っている。バケツをひっくり返したような雨、という事か。しかし雨量との寸法が合わない。
「よくわからんな」
私はなにげなくバケツの中を覗き込んだ。そこは耳に響くディスクの回転音と、視界に広がる0と1が無数に並んだ異空間だった。これは……。
「HDD?」
調査報告書に「雲のPC化」と記した私は呟いた。
「意味わからん」
その他
公開:20/06/16 23:58
更新:20/06/17 00:39
更新:20/06/17 00:39
異空間バケツ
スクー
まったり。
2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)
壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)
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