真夜中のコンビニ

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真夜中のコンビニに油屋がやってきた。
「油~、油~、油はいらんかね~、サラダ、ラード、ナタネ、紅花、色々あるよ」
「こんな所で油を売らないで下さい。折角、床をピカピカに掃除したばかりなんですから」
「あんた、この店の店長かい?油をどれか買わんかね」
「買いません」
「そうかい。残念じゃな。それじゃ、こっちは買ってくれるかい?」
油屋の手の中にはラブホテルに入る直前の自分と不倫相手の密会写真があった。
「これがあんたの奥さんの手に渡ったら大変な事になると思うんだがなぁ。まあ、あんたが買わないと言うのであれば仕方ないな」
「いくらだ」
「50万」
「高い、もっとまけろ」
「それじゃ、20万」
「いいだろう。買ってやる。ほらっ」
「へへへっ、まいどあり。お金は経済の潤滑油ですからね。たまには財布から出してやらんと。今後ともご贔屓に」
「二度と来るな」
「あんたも二度と不倫なんてするんじゃないよ」
公開:20/06/16 22:08

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