温度のあるベンチ
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この街には血の通ったベンチがある。座ると温かいそうだ。
それには良くない噂もある。真夜中にそのベンチで座っていると、真っ赤な口がバックリと開いて食べられてしまうというものだ。
夜遅く。一組のカップルがそのベンチに座った。
「なんかベンチ、温かいね」
「今日午後も暖かかったからね~」
街灯がチカチカ音をたてる。二人の会話は続いていく。今日はデートだったらしい。
……やるなら今か。
僕は噂のベンチだ。久しぶりの獲物。この機会を逃すわけにはいかない。
「楽しかったね~」
「そうだね、また行きたい」
今だ。
「きゃっ!」
「わっ」
……僕は血の通ったベンチ。獲物は絶対に逃がさない。
今二人はいい感じの雰囲気。
僕はカップルの距離を縮めるベンチ。じれったい二人を両側から押して、くっつけるのだ。
なのにどうしてなのかなあ、人食いベンチなんて、変な噂。
それには良くない噂もある。真夜中にそのベンチで座っていると、真っ赤な口がバックリと開いて食べられてしまうというものだ。
夜遅く。一組のカップルがそのベンチに座った。
「なんかベンチ、温かいね」
「今日午後も暖かかったからね~」
街灯がチカチカ音をたてる。二人の会話は続いていく。今日はデートだったらしい。
……やるなら今か。
僕は噂のベンチだ。久しぶりの獲物。この機会を逃すわけにはいかない。
「楽しかったね~」
「そうだね、また行きたい」
今だ。
「きゃっ!」
「わっ」
……僕は血の通ったベンチ。獲物は絶対に逃がさない。
今二人はいい感じの雰囲気。
僕はカップルの距離を縮めるベンチ。じれったい二人を両側から押して、くっつけるのだ。
なのにどうしてなのかなあ、人食いベンチなんて、変な噂。
その他
公開:20/06/17 07:00
スクー
温度のあるベンチ
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
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