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幼い頃よく遊んでいた公園に僕は大人になった今でもよく訪れる。
友達と遊び、ケンカした。
彼女を呼び出し、告白した。
彼女に呼び出され、フラれた。
友達に呼び出され、慰められた。
懐かしい。この公園には多くの思い出が詰まっている。
そういえばブランコで靴を飛ばして遊んでいたっけ。失くして親に怒られたこともあった。
「あの時はごめんよ」
声に目を向けると鬼がブランコを漕いでいた。子供の頃の親友、無邪気だ。無邪気は悪気なく悪戯を仕掛ける悪友だった。
「反省なんてしてないくせに」
拗ねたように言い放つは疑心暗鬼。失恋の痛みを分かち合った最高の友人だ。
僕が今日ここにやってきたのは二人を迎えに来たからだ。
今度僕に子供が産まれる。二人には子守りを頼みたい。
鬼に子供を預けて大丈夫かって?勿論。だって僕の嫁は鬼嫁だからね。
嫁の妊娠を聞かされた帰り道、僕は公園に大切な気持ちという忘れ物を取りに来た。
ファンタジー
公開:20/06/16 19:23

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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