君の手の温もりに包まれて

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今日は待ち望んだ遊園地デートだけど、私は絶叫系が苦手だった。でも、彼にはまだ伝えていなかった。結局、そのままデートは始まり、私は今一番人気のジェットコースターに並んでいる。
もう先頭だ。係員に促されて二人乗りの車両に乗り込む。心の準備もまだなのに発進してしまった。コースターはゆっくりと進んでいく。いつ落ちるのか分からないのが怖くて、私は大分前から目を瞑っていた。
それでも怖くて、君の手をギュッと握る。すると、彼もギュッと握り返してくれる。その手は頼もしくて、優しかった。
彼は最後まで手を握ってくれた。それがすごく嬉しくて、アトラクションの後、「最後まで手を握ってくれたから泣かずにすんだよ」と彼に言った。
でも、彼はポカンとしていた。そして、私を写真コーナーに連れていった。このアトラクションでは最後に落ちる時記念写真が撮られるのだった。彼の指差す写真を見ると、彼は楽しそうに両手をあげていた。
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公開:20/06/18 07:00

竜泉寺成田

物書きを目指している大学3年生です!
noteで短編を、Twitterでは140字小説を毎日投稿しているのでよかったら見てってください〜!!
ショートショートガーデンは思いつき次第更新します!難しい!いつかさわやかな作品を書きたい!
楽しんでもらえたら幸いです〜。
note:https://note.com/ryusenji_narita
Twitter:@ryusenji_narita

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