真夜中のコンビニ

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夏場の真夜中のコンビニには、明かりに引き寄せられたのか、悪い虫がしょっちゅうやって来る。いくら駆除しても次々やって来るのでもうお手上げだ。
そんなある日、不思議な女性が店に現れた。
「私、こういうものです」
彼女から貰った名刺には「黒猫商会 営業部長 ミサ」と書かれていた。
「私の会社ではこういった商品を扱っていますの」
「押し売りなら結構ですよ」
「いえいえ、押し売りではありません。店長が困っていると周囲で聞きましたのでお力添えになればと思ったのです。勿論、お代は結構ですよ」
彼女から提供された商品は一見、普通の網だった。
「これは法の網と申しまして、悪いことしたもの、悪い事を企んでいる者だけを絡み取れる網なのです。店の周囲に蚊帳のように吊るして置くだけでOKです。勿論、無害であれば素通り出来ます」
「いいですね。試しに実家で使ってみようかな。明日、娘が彼氏を連れてくるみたいだから」
公開:20/06/17 21:50

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