真夜中のコンビニ

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何も無い空間に大きなガラス箱が置かれ、今日、その中に商品棚、冷凍庫、冷蔵庫、ATM、あとレジを設置した。
コンビニ開店まであと一週間
工事関係者はやっと肩の荷が下りた思いだ。
時計を見ると時刻は0時を過ぎていた。
「ふ~、やっと今日の仕事が終わったな」
男は煙草の先端にライターでカチッ、カチッと火を付け、言った。
「そうですね。あとは棚に商品が並ぶだけです」
もう一人の男もそれに同調する。
「先輩、こんな寒い日はこうキューと行きたいもんですね」
先程の男は手で酌の真似をした。
「ああ、そうだな。から揚げ、おでん、枝豆、これらを酒のつまみに一杯。ク~、俺はこれのために生きて来た、みたいな。まあ、コンビニが開店したら毎日、宴会になっちゃうんですけど」
「先輩、それは言い過ぎです。毎日、宴会したら僕らの懐が持ちませんって」
「それもそうか、ははは。コンビニ、早く開店するといいな」
「そうですね」
公開:20/06/17 19:52

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