海葬
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瀬戸内海に浮かぶ小さな島で暮らしている私達に墓という習慣はない。海と共に生きる私達は死ぬ時も海と一緒だ。
火葬し、骨と灰になったそれを海に流す。これを私達は海葬と呼ぶ。
海へと還されたそれを魚が口にし、その魚を私達が口にする。そうしてまたいつか、人の身としてこの世に帰って来るのだと言い伝えられている。
だが、何事にも例外はある。時折、強い未練を持つ者が魚の体を借り、この世に戻ってくる事がある。
その為、この島では人面魚を始めとした人の部位の生えた魚は珍しくない。
そのような魚は見つけ次第私達、海葬一族の元に届けられる。
強い未練はそう簡単に消えるものではない。だからこそ、私達が秘密裏に処理をしている。
今日も届けられた人面魚達を私は家の生簀へと放り込んだ。
それらは生簀の中にいる鮫に食い散らかされ、あっという間にいなくなった。
「ごはん、ありがとう」
鮫の額に生えた弟の顔が私に礼を告げた。
火葬し、骨と灰になったそれを海に流す。これを私達は海葬と呼ぶ。
海へと還されたそれを魚が口にし、その魚を私達が口にする。そうしてまたいつか、人の身としてこの世に帰って来るのだと言い伝えられている。
だが、何事にも例外はある。時折、強い未練を持つ者が魚の体を借り、この世に戻ってくる事がある。
その為、この島では人面魚を始めとした人の部位の生えた魚は珍しくない。
そのような魚は見つけ次第私達、海葬一族の元に届けられる。
強い未練はそう簡単に消えるものではない。だからこそ、私達が秘密裏に処理をしている。
今日も届けられた人面魚達を私は家の生簀へと放り込んだ。
それらは生簀の中にいる鮫に食い散らかされ、あっという間にいなくなった。
「ごはん、ありがとう」
鮫の額に生えた弟の顔が私に礼を告げた。
ホラー
公開:20/06/17 19:10
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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