新型潜水艦による意外な攻撃

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 三崎謙蔵は海上自衛隊からの要請で新型潜水艦の設計に携わっていた。彼が任されたのはリチウムイオン電池で動く新型潜水艦だった。安定性の問題などから、世界でもまだ開発に成功した国はない。謙蔵を特に悩ませたのは従来の鉛電池に比べて重量が70トンも軽くなることだった。そのため底部の浮力が上がってしまい、一から設計を組み直す必要があった。
 悩む謙蔵に造船所の所長は失敗してもいいからやってみろと励まし続けた。謙蔵も努力した。だが現実は美談のようにいかない。彼の考えた設計は失敗作で、別の開発者のものが採用された。
 落胆した謙蔵は、ある日ニュースで某テロ国家の新型潜水艦が仰向けにひっくり返る事故が起きたと報じられているのを見た。自分の設計した潜水艦に酷似していた。所長の「失敗してもいいから」という言葉を彼は思い出す。所長は謙蔵の設計図をわざと某国の軍事スパイに掴ませたのだろう。
 彼は一人苦笑いした。
その他
公開:20/06/16 00:29
軍事機密の裏話 のような作り話です

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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