ポリタンク

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仕事から帰ると玄関先に筋骨隆々の怖そうな犬が居座っていた。どうしよう…とりあえず妻を電話で呼び出した。
「大丈夫よ。この子、凄く大人しいから」
玄関先に現れた妻は犬の頭を撫でる。本当に大丈夫だろうか?そもそもその犬、何?
「これ?ポリタンクよ」
ポリタンク?いやいや、どう見ても犬だよね?
「元々は重量級警察犬集団、通称ポリス・タンクの一員だった子。今は一匹だから複数形じゃなくなってポリ・タンクなの」
えっ?ポリスのスって複数形って意味だったの?初耳だ…
「今日、払い下げになったこの子を運よく貰えたの。これでウチのセキュリティはばっちりよ」
そりゃ、こんな怖そうな犬がいる家なんて一目で泥棒も逃げ出すだろう…
「それにこの子の肉球、防犯用カラーボールまだ使えるの。いざという時、頼りになるわ」
それ…もげるの?
「勿論。防犯用カラーボールはポリス・タンクの肉球をもいで作られている事は一般常識よ」
公開:20/06/16 19:19

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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