才能販売所

0
2

俺には何も才能がない。だから彼女もいないし定職にもつけずフラフラとしている。畜生…俺にも才能があれば…
なんて思っていると目の前に『才能販売所』と書かれた看板が目に入った。何だここ?
「当店は貴方の望む才能を販売しております。何でもお申し付け下さい」
店員の言葉を鼻で笑う。
「じゃあ、金持ちになる才能をくれ」
「かしこまりました。どうぞこちらをお飲み下さい」
店員は植物の種のような物を俺に差し出した。こんなもので才能が手に入ったら人生さぞや楽勝だろうな。

期待はしていなかったがあれからどれだけ経とうとも俺の金持ちになる才能が目覚める事はなかった。ほらな。
だが、それはそれだ。俺はクレームを入れる為、再び店を訪れた。
「お客様…才能は手に入れるだけでは育ちません。ご自身の才能が判明したのなら、それを花咲かす為に努力して下さい。ちなみに才能は売り込む物。努力は買う物で売り物ではありません」
公開:20/06/14 18:38

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容