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今、学校で隙間女の呪いという遊びが流行っている。
鬼ごっこのように鬼を擦り付け合うだけの遊び。それはただの遊びのはずだった。
1週間、誰もタッチできずにいる良子が言った。「今日も隙間女の呪いやろうよ」
良子は足が遅くてつまらない。なのに「鬼を変わろうか?」と聞くと「自分でやる」と答える。
ムッとした。だから絶対に捕まってやるものかと皆で逃げ回った。
泣きそうな良子の顔を見て、ざまあみろ、と内心思った。

翌日から良子は学校に来なくなった。家にも帰っていないらしい。
何か知っている人がいれば、知らせるようにと先生に言われた。

その日、部屋に一人でいるとベッドの隙間から何かが出てきて私の肩に触れた。
『…たっち』
それはここにいるはずのない良子の声。
『1週間以内に自力で呪いをうつさないと、貴方も隙間女になるよ』
不気味な声が部屋に響いた。
空耳とは思えないその声に翌日私は全力で鬼を演じた。
ホラー
公開:20/06/14 18:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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