肉球取引

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俺は猫と会話する特殊な力がある。この力を生かしアメリカンドリームを掴むつもりだ。しかし機会はそう簡単には巡ってこない。俺はすっかり腐りかけていた。
そんな時、一匹の野良猫と出会った。
「肉球、取引しないか?」
野良猫によると、闇サイトで肉球が売買されているらしい。確かに肉球のぷにぷに感はたまらない。麻薬に匹敵する依存性があるかもしれない。これは一儲けできそうだ。
さっそく肉球狩りへ出掛けた。俺の能力があれば巧みな交渉術で肉球をいただく事は容易い。猫から見ると俺は詐欺師みたいなものだ。
こうして短期間で大金を掴んだ。そろそろ動物愛護団体も動き出す頃だろう。俺は肉球を鞄に詰め、とある場所へ向かった。
そこではやつらの目が光っていた。ただ俺は麻薬を所持しているわけじゃない。問題ない、と思っていたが、肉球仲間としての血が騒いだのだろうか。麻薬犬の肉球は冷たかった。
そう、俺は高飛びに失敗したのだ。
その他
公開:20/06/14 23:50
飛べない肉球 スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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