Fの神様 4

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ネットゲームに明け暮れて、本当に夜が暮れて明けた。
「指しか動かしてねーのに腹が減るのは解せぬ。」
アパートの階段を紙袋片手に降りていく。
「ゲーム買う前に洗濯機買えってーの。」
夜明けにコインランドリーとコンビニに行くのが日曜の習慣になっていた。
あまり人に会いたくないので丁度良い。

なのでコインランドリーに先客が居た時には軽く舌打ちが出た。
先客の老人を横目にいつも利用する一番奥の洗濯機に進んだ。
手際よく洗濯の準備をしていると背後から声が聞こえた。

「お前にF4を授ける」
とっさに身構えたが酔い醒ましに休んでるのかと勝手に合点し、目も合わさず無視してその場を後にした。

「ビビったなーもう。なんだよ。F4ってなんだよ。」

「一番使えねーやつじゃん。もっと良いのくれよ。」
くくくと独りごちた。
SF
公開:20/06/13 18:17
更新:20/07/07 00:09

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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