つまさき
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妻が亡くなって1ヶ月、おれはまだ立ち直れずにいた。先週から仕事を再開したが、どうも身が入らない。この日も仕事から帰ってきて誰もいないリビングに「ただいま」という。
当然返事はない。電気をつけようと暗い部屋の中を歩くと、タンスに小指をぶつけた。
「ぐっっ」、 「いったあー!!」
ん?おれの声ではない悲鳴がもう一つ。
ちょっと気をつけなさいよ!
それは間違いなく妻の声だった。幽霊か?幻聴か?あたりを見回していると、ここよ、ここ!
俺のつま先から声が聞こえる。信じられないことに、おれの妻は俺の足の先端に宿っていた。
「あんたが毎日元気ないから、新しい一歩を踏み出す為に足に宿ったの!」
それから妻先との新生活が始まった。休みの日には足湯、マッサージに行って以前のように妻のご機嫌とりだ。俺もこれからなんとかやってけそうだよ。でもさ、時々俯きたくなる時もあるけど、それでもいいかな。
当然返事はない。電気をつけようと暗い部屋の中を歩くと、タンスに小指をぶつけた。
「ぐっっ」、 「いったあー!!」
ん?おれの声ではない悲鳴がもう一つ。
ちょっと気をつけなさいよ!
それは間違いなく妻の声だった。幽霊か?幻聴か?あたりを見回していると、ここよ、ここ!
俺のつま先から声が聞こえる。信じられないことに、おれの妻は俺の足の先端に宿っていた。
「あんたが毎日元気ないから、新しい一歩を踏み出す為に足に宿ったの!」
それから妻先との新生活が始まった。休みの日には足湯、マッサージに行って以前のように妻のご機嫌とりだ。俺もこれからなんとかやってけそうだよ。でもさ、時々俯きたくなる時もあるけど、それでもいいかな。
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公開:20/06/13 16:09
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