真夜中のコンビニ

確かに私は「インパクトのある子、募集」とアルバイト求人に書いた。
でも、まさかゾンビが来るなんて誰が想像しただろうか。
「ええと、ですね。まずは、あなたのお名前を伺っても宜しいですか」
「アルベルトです。アルと呼んでください。にこっ」
「はい、アルベルトさんね。どこに住んでいるの」
「青山です」
「はいはい、青山っと、えっ、君、青山に住んでいるの。マジで」
「ええ、まあ。父親が爵位を持っているので。なんでも昔、フランス女王の懐刀として暴動の鎮静化に務めたそうです。その際に勲章と爵位を拝命したとか」
「へぇ～、すごいね。人は見た目じゃ、分からないものだ。ええと、君の履歴書によると君はナイトのバイトに募集してきたようだけど、コンビニの経験はあるの」
「いえ、初めてです」
「そうか、それじゃ、俺がビシバシ君を鍛えるよ」
「いえ、お手柔らかにお願いします。ビシバシやると手がポキッと折れちゃうんで」