どこまでも澄んだ青い空

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あの頃の居場所に戻ってみたけど、面影はもう記憶にあるだけだと、恐怖した。
僕らがいない未来でも、その記憶だけは残っていてほしい。
君は「思い残すことはない」と、思い残していたことを勝手にクリアにした。
だけど僕や他の仲間の思いは、尽きはしない。
「また会いたい」
それがみんなの日々の希望になっているのだから。
君は「死期を悟った」と、それに向かおうとしている。
だけどそれが確かだと言える?
楽しかったあの頃も、恐怖する今も、青い空は変わらない。
それはだいぶ狭まったが、高い所に行けば、やはり変わらないと思えるから。
みんな貧しかったあの頃。
それでも楽しかった。
つらかったのに楽しかった。

家賃三万。
風呂なし。トイレ・炊事場共同。
全室四畳半の木造二階建てアパート。

あの頃の夢は叶った。
今の夢も叶えたい。
「みんなに会いたい。君に会いたい」
こういうのは欲張りではないだろう?
その他
公開:20/06/13 23:38
更新:20/06/14 21:38

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