0
2

天才を自称する友人が「凄いものを発明した!」と言って俺を呼び出した。
前はそう言って、親知らずを再生させる薬を作っていた。
その時は『もう少し役立ちそうな物を作れよ』と、言っておいたが今回は一体どんな物を作ったのだろう?

「見てくれ、これが私の新発明・否傘だ」
傘の形をしたピンバッジにしか見えないな。これのどこが凄いんだ?
「これはな、雨のように降り注ぐ否定的な意見から心を守る傘なんだ。アンチブレラと言ってもいい。これを着けている間はどんな悪口を言われようとも傷つく事がないぞ!まるで空耳。どこ吹く風で自分の意志を貫ける。どうだ?凄いだろう?」
それが本当なら凄いがどうやってそれを証明するんだ?お前は元々メンタル強いし、俺は悪口を言われるなんて嫌だからな。
「それなら大丈夫。今日、この発明品を購入してくれた人がテレビに出ている」
テレビをつけてみると総理大臣の胸に否傘がきらりと輝いていた。
SF
公開:20/06/12 18:36

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容