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「明日東京にいきます!」
「楽しそうだな。」
「そりゃあ東京ですよ!」
「そうか、じゃあこのお面だ。」

差し出されたお面をみて絶句した。

「これ・・・。」
「持ってけ。」

父さんだ。笑ってる父さんだ。

「お知り合いだったんですか?」
「知らねえよ。でも、あんたにピッタリなのは分かる。」

久しぶりに父さんの顔を見た。

「ありがとうございます。似合うかな。」
「待て。」
「はい?」
「笑顔のお面、ちゃんと取ってからつけろよ。」
「・・・はい!」

立ち上がり、おんぼろ神社にサヨナラを告げ歩き出す。
ふと振り返ると、お面屋はもういなかった。

空と、この街が、いつもより遠く見える。

「素直に生きていいんだよね。」

笑顔のお面を外し空に叫んだ。

「行ってくるねー!!」

父さんのお面が涙で濡れた。
ファンタジー
公開:20/06/12 14:58
家族 青春 神社

エクシエ・カルムコ( 東京都 )

ゆったり、気ままに作品創ってます。
猫と阪神タイガースが好きです

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