真夜中のコンビニ

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「ねえ、もしかして君は・・さやかなのか」
僕は動揺した。
胸から心臓が飛び出すくらいドキドキした。
破裂しそうだった。
なぜなら、彼女は僕の初恋の相手だったからだ。
彼女とは小学校の時に出会い、将来、結婚しようとお互い約束をした仲だ。
でも、彼女は父親の仕事の都合で九州に転校してしまった。
交際期間は半年間。実に儚い恋だった。
今みたいにSNSやネットが無い時代だったからそれが今生の終わりだった。
それから数十年後、僕は同窓会で彼女が事故で亡くなった事を知った。
僕はくやしくて泣いた。彼女が事故で亡くなった事ではない。僕がなんであの時、大人でなかったをだ。僕が大人だったら約束を叶えられた。彼女を笑顔に出来た。あの時ほど神を呪ったことはない。

「会いたかったよ」
「私も」
「少し、痩せたんじゃないか」
「あなたは老けたわね」
「ごめん。君との約束を守れなかった」
「あなたのせいじゃないわ」
公開:20/06/11 13:41
更新:20/06/11 14:28

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