三色のベンチ

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その公園には三色のベンチが並んでいた。私は暇があれば真ん中の黄色いベンチに座る。ここに座っていると面白いのだ。
左の赤いベンチに初々しいカップルが座った。最高の笑顔でベッタリくっついている。おそらく今が最も楽しい時期なのだろう。まわりの目を気にする素振りも見せず、イチャイチャし始めていた。熱い熱い。
キュンキュンしていると、右の青いベンチにもカップルが座った。険悪な雰囲気が漂っている。すぐに二人は喧嘩を始めた。私に言わせると非常にくだらない理由での喧嘩だ。赤いベンチの二人には聞かせたくない。やだやだ。
このベンチ、いつも決まってこのような感じとなる。私は赤いベンチの熱々カップルと、青いベンチの冷え冷えカップルを何組も見てきた。温度差の激しさが面白いのだ。
そして思う。私も恋がしたい、と。だけど、注意深い私は一歩を踏み出せないのだ。黄色のベンチはぬるい。もう何年も恋のベンチをあたためている。
その他
公開:20/06/11 23:55
更新:20/06/20 03:10
温度のあるベンチ スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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