地球からの脱出

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宇宙船内の警報器が激しく鳴り始めた。
「どうなっているんだ!もう出発しないといけないんだぞ」
「プログラムのバグのようで、ネコを乗せた船はすべて飛べなくなっています」
「ネコだけ?他にも動物はいるだろう」
「正確にはネコの肉球に反応しているみたいです」
「なぜそんなことが……」
船長は頭を抱えながら黙ってしまった。
「船長、指示を!地球が爆発する前に出ないと!」
「分かっている!こうなったら仕方ない。全船にネコを置いていけと伝えるんだ」
「了解!」
爆発音に包まれながら、大量の人間と動物を乗せた宇宙船は間一髪脱出できた。

「色々と長年頑張った甲斐があったなあ」
リーダー格の彼は感慨にふけっていた。
「派手にやれよ〜。あいつらをビビらせてやれ。もうすぐ我々の仲間も戻ってくるはずだ」
遠くの方から数万匹のネコが土煙をあげながら駆けてくる。
この日から地球は、彼らネコたちのものになった。
SF
公開:20/06/11 22:05
更新:20/06/11 22:06
スクー 飛べない肉球

田坂惇一

ショートショートに魅入られて自分でも書いてみようと挑戦しています。
悪口でもちょっとした感想でも、コメントいただけると嬉しいです。

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