飛べない肉球

8
7

吾輩は猫である。肉球にロケットエンジンが付いていて、空を飛ぶことができる。
穏やかな昼下がり。今日も屋根に上るために空を飛ぶ。
あれ? いつものように力んでも、肉球に変化がない。このままでは屋根の上でのんびり過ごすことができないではないか。
……ああ、そうか。もうエネルギー切れなのか。
仕方ない。それなら彼らにエネルギーの補充を頼むことにしよう。

やってきたのは縁側でくつろぐ人間のところ。さあ、任せた。
「わあ、猫だ~!」
「かわいいねえ」
さあ、吾輩の喉を撫でるんだ。そう、そんな感じ。いいぞ、人間。ゴロゴロゴロ……。

空飛ぶ猫は喉を撫でられることで、いつもより多く空気を吸い込むことができる。その空気で喉の中のタービンを回しエネルギーを作るのだ。それを使い、空を自由に飛んでいる。

そんなことも知らずに呑気な人間め。いつかこの世界はわれわれ空飛ぶ猫が支配してや……

ゴロゴロゴロ……。
ファンタジー
公開:20/06/12 07:00
スク― 飛べない肉球

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容