真夜中のコンビニ

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コンビニの扉を開くとそこには十年前に事故で死んだはずの初恋の相手がいた。
「久しぶりだね」
「そうね」
「ちょっと痩せたんじゃないか」
「あなたはおじさんになったわ」
「元気だった。こんなこと言うのもなんだけど」
「うん、元気だったよ」
「御両親には会ってきた?この前、偶然、君のお墓参りの時に会ったけど二人とも白髪が増えていたよ」
「うん、さっき、会いに行って来た」
「どうだった」
「お父さんはリビングで死んでたわ。お母さんは真っ赤な包丁を手に持って震えていた」
「そっか」
「ねえ、約束、覚えている」
「覚えているよ。将来、結婚しようって約束だろ」
「うん、今から出来ないかな」
「したいの」
「出来れば生きている時にしたかったけど」
「君がしたいなら今からしようっか」

「店員さん、すみません。この婚約指輪下さい」
「500万円です」

「ねえ、前みたいに手、繋ごう」
「うん、いいよ」
公開:20/06/11 20:59

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