円環ロボット

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空は黒く覆われていた。

どうやら掃除ロボットの廃棄所らしい。荒地には円型の掃除ロボットたちが、僅かな塵を求めて這いずり回っている。重なる電子音。金属がぶつかる音。サイレンのような警告音。僅かなパイを取り合う姿はなんと醜いものか。
そうして吸い込むものが無くなったロボットたちはいつしか共食いを始める。大きなロボットが小さなロボットを食み、どういうことか一回りその体を大きくするのだ。無数にいたロボットたちは食い荒らされて、瞬きをする度に荒地に隙間が増える。
そうしてロボットを『掃除』したそれは、僕の背を追い抜かしてしまった。ゴミもない、ロボットもいない。となれば残るはひとつだけ。

迫る口に瞳を閉じれば、襲ってくる痛みはない。目を開けばそこには荒地が広がり、無数の掃除ロボットたちが僅かなゴミを奪い合っている。

夢だったのか。

相変わらず、空は黒く覆われていた。
SF
公開:20/06/11 02:21
更新:20/06/11 02:25

chaccororo

めっちゃトイレ行きたい時間と、そうでもない時間を行き来してます。

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