279. 目玉(続き)

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翌朝目覚めると、先生の目玉が居なくなっていた。おかしいな…。登校するギリギリまで家の中を一通り探したがどうしても見つからなかったので諦めて登校した。教室へ入ると、クラスメートの何人かがやはり夜のうちに目玉が居なくなってたと話していて、実際に生徒の数より減っていた。
始業のチャイムが鳴った。少し遅れて入ってきた先生の顔色は悪く疲れきっていた。
「「先生どうしたんですか?」」
皆が声を揃える。
「先生が軽率でした。皆さんに謝ります。ごめんなさい。そして皆さんに報告があります」
そう口火を切ると、震える声で話し始めた。
「ペットことを考えていませんでした」
「「ペット?」」
「昨夜皆さんが就寝したあと、先生の目玉も寝ていたら夜行性の猫ちゃんが私の存在に気がついて、遊ぼうと一晩中追いかけ回されたのです。私の目玉はたまらず開いていた窓から逃げ出してきました。今後の安眠のため、残りの目玉も回収します」
ファンタジー
公開:20/06/11 09:00
更新:20/06/11 03:11
ショートショート創作ドリル ストーリー02 目玉

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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