地獄の乳搾り

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死んでしまった俺は迎えに来た死神の案内のもと、牧場へと連れてこられた。
しかしどこを見渡しても動物の一匹もいない。小屋の中には搾乳機。これは一体何なんだ?
「よし、そこのお前!上着を脱いでその搾乳機をつけろ!」
牧場主らしき鬼の言葉に耳を疑う。
「死んだばかりの者はここで未練を搾り取る決まりとなっている」
未練を搾り取るのに何で搾乳機が必要なんだ?
「そりゃ、未練は乳から出てくるからだ。未練乳、と言ってな。コイツを絞り切らない事には現世への未練が胸の中に残ったままで成仏できないんだ」
その説明に納得してしまった。
乳牛になった気がして少し抵抗はあるがこれも成仏する為と搾乳機をつける。
「安心しろ。未練がない者はすぐに終わる」
その言葉通り、俺の搾乳はすぐに終わった。
ところでその未練乳?だったか。搾ったそれはどうするんだ?
「自殺志願者に飲ませるんだよ。未練が胸にあれば、思い止まるからな」
公開:20/06/09 19:15

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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